オンデマンドウェビナー

2G、3G、4G、および初期の5Gセルラーネットワークで使用される従来の無線アクセスネットワーク(RAN)機器は、標準の無い各ベンダー独自の内部インターフェイスを使用する単一のブラックボックス・ソリューションとして事業者に提供されてきました。このような実装により運用効率が向上し、携帯電話事業者は携帯電話の世代を超えて特定のベンダーソリューションに縛られるようになりました。オープンで、マルチベンダーによるRANエコシステムを可能にすると共に、ネットワーク機能仮想化(NFV)の原理を適用してハードウェアとソフトウェアを分離することにより、O‑RANはより柔軟なRANアーキテクチャを導入します。基地局のさまざまな機能は、現在それらの間のオープンインターフェイスを持つ集中ユニット(CU)、分散ユニット(DU)、および無線ユニット(RU)の各要素に分割されます。このようなアプローチにより、従来のRANと比較して市場投入までの時間も短縮されます。

前述の利点にもかかわらず、システムパフォーマンスを保証し、複雑さを管理することは、O‑RANによるアプローチに固有の課題です。実際には、システムの検証と展開の責任は、直接、またはシステムインテグレーター(SI)とのパートナーシップを通じて携帯電話事業者にあるのです。複数のシステムインテグレーターが関与しているため、シリコンベンダーは、システム全体の複雑さを最小限に抑え、個々のコンポーネントのパフォーマンスを保証する責任を負うことがよくあります。
O‑RANによるアプローチは、新しい5Gネットワーク機器で利用可能なあらゆる拡張機能を提供することを目的としているため、厳密なタイミング要件の下に同期を保証するという基本的な必要性が残っています。

このウェビナーでは以下を学ぶ事が出来ます。

  • O‑RANとは何か、従来のRANトポロジーに対する利点は何か
  • O‑RAN標準で定義される４つの同期プレーンモードにおけるタイミング要件とトポロジーについて
  • ルネサスのClockMatrixハードウェアとPCM4Lソフトウェアによる完全なタイミングソリューションが、どのようにして全ての同期プレーンモードのO‑RANタイミング要件を満たすか
  • RFコンバータとLOの同期及び、低ノイズのサンプリングクロックの両方を保証する為にルネサスのClockMatrixシンクロナイザ・ファミリを使用することの利点
  • IEEE1588準拠を保証する為にルネサスのLinux用PTPクロックマネージャ・ソフトウェア(PCM4L)をClockMatrixシンクロナイザ・ファミリと共に使用することの利点
講師紹介：
Greg Armstrong
プリンシパルシステムアーキテクト
タイミング製品事業部
ルネサスエレクトロニクス

テレコミュニケーションと光通信の分野において、25年以上の装置アーキテクチャ設計の経験を持っています。同氏の専門はネットワーク同期であり、パケットネットワーク上での周波数、位相、および時刻同期を可能にする回路エミュレーションやタイミング オーバー パケット 技術に深い造詣を持っています。同氏はレジーナ大学で理学士号を取得しています。